AIO対策・LLMO対策の会社の選び方とは、AIの回答に自社の情報を正しく取り上げてもらうための支援会社を、営業トークではなく確かめられる基準で比べる方法のことです。この分野は新しく、会社ごとの実力差が大きいうえ、成果の見え方も揺れやすいため、選ぶ側に判断軸が要ります。

この記事では、BtoBの中小企業がAIO対策・LLMO対策の依頼先を選ぶための7つの判断軸と、商談でそのまま使える質問リストをまとめました。なお、当社(株式会社etika)もAIO・LLMOを含むAI SEOの支援を提供している事業者です。その立場を明かしたうえで、特定の会社をすすめるのではなく、どの会社に対しても使える判断軸を書きます。

AIO対策・LLMO対策の会社には何を頼めるのか?

「AIO対策」「LLMO対策」の中身は、会社によって大きく違います。大きく分けると次の3類型です。

  1. 診断・コンサルのみ:現状の分析と改善提案書まで
  2. 実装込み:サイトの構造の改修、構造化データ、記事の制作まで
  3. 伴走型:月次で計測と改善を回し続ける

同じ「AIO対策◯万円」でも、どの類型かで中身はまったく違います。提案書だけ渡されて実装は自社任せだった、という不満は従来のSEOコンサルでもよくある失敗でした。見積もりを比べる前に、まず「どの類型の話をしているのか」を揃えてください。

伴走型の中身は、会社によって月次レポートだけのこともあれば、データの取得から施策の実行と記録までを仕組みとして回すこともあります。後者の考え方はAIハーネスとはで説明しています。

AIO対策とLLMO対策は、別々の会社に頼む必要がありますか?

必要ありません。AIO(AI Optimization)、LLMO(Large Language Model Optimization)、GEO(Generative Engine Optimization)などは、AIの回答に自社の情報を正しく取り上げてもらうための対策を、少しずつ違う角度から呼んだ言葉です。

対象や呼び方は違っても、実務の中心は重なります。サイトの構造を読み取りやすくする、ほかにない一次情報を出す、AI経由の来訪や問い合わせを測る、の3つです。会社によって「AIO対策」と呼んだり「LLMO対策」と呼んだりするだけで、同じ施策を指していることがほとんどです。

ですから、呼び名ごとに別の会社へ頼むと、同じ作業に二重に払うことになりかねません。見積もりでは名前ではなく、作業の一覧で比べてください。用語ごとの違いはLLMO・AIO・GEO・AEOの違いに一枚の表で整理しています。

「おすすめの会社◯選」はどう読めばいいか?

「AIO対策 会社」「LLMO対策 会社」で検索すると、「おすすめ◯選」型の比較記事がたくさん出てきます。候補を知るきっかけには便利ですが、読むときは次の3点を確かめてください。

掲載の基準と、運営会社の立場を見る

比較記事には、掲載の基準を書いているものと、書いていないものがあります。広告枠や紹介料で掲載が決まっている場合もあり、記事の中でそう明かしていることもあります。運営しているのが比較メディアなのか、支援会社自身なのかでも、並び順の意味は変わります。記事の末尾や運営者情報まで読んで、「誰が、何の基準で並べたか」を確かめてから使ってください。

候補の会社のサイト自体が、対策を実践しているかを見る

AIO・LLMOを売る会社であれば、自社のサイトでも実践しているはずです。記事の冒頭に問いへの直接の答えがあるか、よくある質問がまとまっているか、自社の実績やデータなどの一次情報があるか、書き手が誰か分かるか。自社のサイトでやっていない会社は、その時点で優先順位を下げてかまいません。

一覧の比較項目より、自社の質問への答えで比べる

一覧の表は「対応範囲」「料金」「実績数」など、どの会社にも当てはまる項目で並べられがちです。実際の選定では、次の節の7つの判断軸と質問リストを、候補の全社に同じように投げてください。答えを横に並べると、差がはっきりします。

AIO対策会社・LLMO対策会社を選ぶ7つの判断軸

次の7つを面談で順に確かめれば、実務の経験が浅い会社はほぼ見分けられます。

軸1:実測データで語っているか

その会社自身のサイトで、AI経由の来訪や、AIの回答での取り上げられ方を測っているかを確かめてください。「AI検索の時代が来ます」という一般論だけの会社と、「このクエリでの取り上げられ方と、AIからの来訪を、こう測っています」と具体的に話せる会社では、実務の深さが違います。自分で実践していない施策を売っている会社は、この質問で見分けられます。

軸2:成果を「引用」ではなく「問い合わせ」まで追うか

AIの回答に取り上げられても、問い合わせが増えなければ、経営としては意味がありません。GA4・Search Console・問い合わせフォーム・(できればCRM)までをつなぎ、「AI経由の問い合わせが何件あったか」を測る設計を提案してくるかが分かれ目です。レポートの見本を見せてもらい、引用数や来訪数で終わっているか、問い合わせや商談まで載っているかを確かめてください。

軸3:掲載や順位の「保証」を謳っていないか

「AIの回答に必ず載せます」「上位表示を保証します」と謳う会社は、候補から外すことをおすすめします。AIの回答は質問の仕方や時期で変わり、掲載を保証する手段は現時点で知られていません。誠実な会社ほど「保証はできないが、確率を高める施策と計測はできる」と言います。

軸4:一次情報・独自のデータを「作る」提案があるか

AIの回答に取り上げられやすくする手がかりとして、そのサイトにしかない一次情報が重視されています。研究の段階でも、文章に出典や引用、統計を加える手法が、生成AIの回答での見え方を高めたという報告があります(GEO: Generative Engine Optimization|arXiv、KDD 2024)。ただし実験環境での結果で、実際のAI検索で同じ効果が出るとは限りません。

そのうえで、テンプレート記事の量産ではなく「御社の受注データや現場の知見から、どんな独自のコンテンツを作れるか」を最初から聞いてくる会社は信頼できます。ヒアリングなしで「月◯本の記事納品」を出してくる会社は、中身を確かめてください。

軸5:従来のSEOとの両立を設計しているか

AIO・LLMOは、SEOの土台の上に成り立ちます。「SEOはもう古い、これからはAIO・LLMOだけ」という提案は、構造の理解を疑うサインです。いまの検索流入と順位を守りながら、AIへの対応を上乗せする設計図を描けるかを確かめてください。全体の考え方はAI SEOとはにまとめています。

軸6:BtoBと自社の業種の商流を理解しているか

BtoBは検索数が小さく、1件の問い合わせの価値が大きい世界です。BtoC向けの「アクセスを増やす」発想のままだと、量の指標ばかり追うことになります。過去の支援先が、自社と似た商流(少数の高単価の案件・長い検討期間)かどうかを確かめてください。

軸7:解約したときに何が残るかが明確か

契約が終わったあと、キーワード戦略書・計測の設定・改修済みのページ・手順書などが、自社の資産として残る設計かを確かめてください。「ノウハウは開示しない」「解約すると計測ツールが見られなくなる」という契約は、依存を生む形です。成果物の一覧を、契約の前に文書で出してもらいましょう。

費用の目安はいくらか?見積もりの比べ方

費用の相場と内訳はAIO対策・LLMO対策の費用相場にまとめているので、ここでは見積もりの比べ方だけ書きます。

  • 類型を揃える:診断のみ・実装込み・伴走型のどれかを揃えてから金額を比べる
  • 作業の一覧で比べる:「AIO対策一式」ではなく、計測・構造の改修・コンテンツ・運用の検証のどれが入っているかを一覧で出してもらう
  • SEOとの重なりを確かめる:構造の改修とコンテンツはSEOと重なります。いまのSEOの契約と二重に払っていないかを見る
  • 何が測られ、何が残るか:同じ金額でも、問い合わせまで測るか、解約後に何が残るかで価値は大きく変わる

「AIO」「LLMO」という名前がつくと割高になることがあります。中身はSEOと重なる部分が多いので、いまのSEO会社の見積もりと同じ土俵で比べてかまいません。

自社でやるべきか、頼むべきか?

全部頼むか全部自社でやるかの二択ではありません。

自社でできること:いまのページに問いへの直接の答えやよくある質問を足すこと、一次情報(実績・データ)の棚卸し。Web担当が兼任でも始められます。

頼む価値が高いこと:受注データから逆算したテーマの選び方、計測のつなぎ込み(GA4・Search Console・フォーム・CRM)、構造化データやサーバー側での表示などの技術的な対応。経験の差が成果の差になりやすい領域です。

当社が目安にしているのは、「月に使える工数が10時間未満」「サイトの検索流入が月1,000未満」「技術的な改修に社内で対応できない」の3つです。2つ以上に当てはまるなら、伴走型の依頼を検討する価値があります。1つ以下なら、まず自社でLLMO対策の7つの手順から始め、計測だけ整えて3か月ほど様子を見るのが合理的です。

地域の会社に頼みたい場合の考え方は福岡のSEO対策会社の選び方でも触れています。

発注前に確かめる質問リスト

7つの判断軸を、商談でそのまま使える質問の形にしました。複数の会社を比べるときは、同じ質問を全社に投げて、答えを横に並べてください。

  • 貴社自身のサイトで、AI経由の来訪やAIの回答での取り上げられ方を測った結果を見せてもらえますか?
  • レポートには、問い合わせ件数や商談への貢献まで載りますか?
  • AIの回答への掲載や、検索順位を保証しますか?(「保証します」という答えは注意が必要です)
  • 当社の受注データや実績から作れる、独自のコンテンツの例を挙げてもらえますか?
  • いまの検索流入を守る施策は含まれますか?
  • 同業や似た商流のBtoBの支援経験はありますか?
  • 契約が終わったときに残る成果物の一覧を、文書でもらえますか?
  • 月次の定例には誰が出席し、何を確かめますか?

まとめ:AIO対策・LLMO対策の会社を選ぶ前のチェックリスト

  • 比べる会社の類型(診断のみ・実装込み・伴走型)を揃えたか
  • AIO・LLMOなど呼び名ごとに、同じ作業へ二重に払っていないか
  • 「おすすめ◯選」の掲載基準と運営会社の立場を確かめたか
  • 候補の会社のサイト自体が、対策を実践しているか見たか
  • 全社に同じ質問リストを投げ、答えを横に並べたか
  • 掲載や順位を保証する会社を候補から外したか
  • 解約後に残る成果物の一覧を、文書で受け取ったか

比べる前に、運用を任せたときの実物を見ておきたい場合は、マーケ担当AIエージェントの体験デモ(無料)で、AIと人が分担して運用を回す画面を触れます。依頼先に聞くべき点を整理する材料にもなります。

当社もマーケ担当AIエージェントを提供する事業者です。この記事の判断軸で、当社を評価していただいてかまいません。

よくある質問

AIO対策におすすめの会社はどこですか?

当社もAIO対策・LLMO対策を支援する事業者なので、特定の会社名は挙げません。代わりに、どの会社にも同じ質問をして比べる方法をおすすめします。とくに「自社サイトでの実測を見せられるか」「問い合わせ件数まで追うか」「掲載を保証していないか」の3つで、候補はかなり絞れます。

AIO対策とLLMO対策は、別々の会社に頼むべきですか?

別々に頼む必要はありません。AIO・LLMO・GEOなどは、AIの回答に自社の情報を正しく取り上げてもらうための対策を、少しずつ違う角度から呼んだものです。サイトの構造、一次情報、計測といった施策の中身はほぼ重なるので、同じ会社にまとめて頼むほうが二重払いを避けられます。

「AIの回答に載せることを保証します」と言われました。信じていいですか?

おすすめしません。AIの回答は質問の仕方、時期、モデルの更新で変わり、掲載を保証する手段は現時点で知られていません。誠実な会社は「確率を高める施策と、結果の実測」を約束します。保証の言葉が強い会社ほど、根拠を詳しく聞いてください。

今のSEO会社にAIO対策・LLMO対策も任せるべきですか?

まず今のSEO会社に、この記事の質問リストを投げてみてください。実測・計測の設計・一次情報の3点に具体的な答えがあれば、任せる価値があります。答えがあいまいなら、SEOとAIO・LLMOは施策が重なるので、分けて発注するより、まとめて任せられる会社への切り替えを検討するほうが合理的です。

発注する前に、自社でやっておくべきことはありますか?

2つあります。1つはGA4とSearch Consoleを見られる状態にしておくこと(権限の整理)、もう1つは自社の実績・データ・事例など「一次情報の在庫」を棚卸ししておくことです。この2つがあると、どの会社に頼んでも立ち上がりが速くなり、提案の中身も比べやすくなります。

宮村佳祐

この記事の著者: 宮村 佳祐(株式会社etika 代表取締役)BtoBメディアとMAツール「リストファインダー」の立ち上げ・事業拡大を経て、ニッチな強みを持つBtoB中小企業の売れる仕組みづくりを支援。プロフィール詳細 →