「サイトはあるのに問い合わせは月に数件以下」「リニューアルしたのに変わらなかった」——これは技術に自信のあるBtoB企業ほどよく起きる状態です。原因はたいてい1つではなく、しかし全部でもありません。この記事では、原因を5つに分解し、自社がどれに当てはまるかを診断フローチャートとチェック表で特定できるようにしました。原因ごとに対策の詳細記事も用意しています。闇雲にSEO会社へ発注する前に、まず5分で現在地を確かめてください。

問い合わせが増えない原因はどう特定すればいいですか?(診断フローチャート)

順番に確認すべきことは決まっています。まず「そもそも人が来ているか」(流入)、次に「来た人が読んでいるか」(内容)、そして「読んだ人が行動できるか」(導線)、それを「数字で確認できるか」(計測)、最後に「問い合わせ後に取りこぼしていないか」(初動)です。上流から順に見るのが鉄則で、流入が月300セッション未満のサイトにフォーム改善をしても効果は限られます。下のフローチャートで、自社が最初に直すべき場所を特定してください。多くの会社は原因1と原因4が同時に当てはまります。

診断の分岐は次の5問です。

  1. GA4等で流入数を把握できている? → No→**原因4(計測)**を最初に直す(他の原因の判定自体ができないため)
  2. 検索・AIからの流入は月間で十分ある?(目安: 月300セッション未満は不足) → No→原因1(見つからない)
  3. サービスページ・記事は読まれている?(直帰・滞在・回遊) → No→原因2(伝わらない)
  4. 読まれているのに問い合わせ・資料DLが発生しない? → Yes→原因3(導線)
  5. 問い合わせはあるのに商談・受注にならない? → Yes→原因5(取りこぼし)

原因1: そもそも見つけられていない(流入不足)とは?

最も多い原因です。BtoBのニッチ技術は「検索する人が少ないから無駄」と思われがちですが、実際は逆で、検索数が少なくても課題が明確な言葉で見つけてもらえれば、問い合わせの質は高くなります。当社の支援先の日新運輸工業様(下関市・国際輸送/通関)は、サイトリニューアルとあわせた継続的な記事発信で集客力が約6倍になり、毎月新規の引き合いが生まれる状態になりました。

さらに2026年現在は、Google検索だけでなくChatGPT等のAI検索でも「見つけられるか」が問われます。海外の調査(Ahrefs)では、AIの回答に引用されるページと検索上位ページのずれが広がっていることが報告されており、当社も自社サイトと支援先でAI経由の流入を毎月実測しています。

対策の入口: 検索はAI SEOとは、AI検索はLLMO対策へ。

セルフチェック(原因1)
□ 社名以外の検索語での流入がほとんどない
□ 過去6ヶ月、サイトに新しいページを追加していない
□ ChatGPTに自社の事業分野のおすすめを聞くと競合だけが出てくる

原因2: 来ても「頼める理由」が伝わっていないとは?

流入はあるのに問い合わせにならない場合、サイトが「会社案内」で止まっていることが多いです。事業内容は書いてあるが、①どんな課題を解決できるのか、②なぜ他社ではなく自社なのか(実績・数値・専門性)、③頼むと何が起きるのか(流れ・体制)が書かれていない。技術に自信がある会社ほど「見れば分かる」と省略しがちですが、初めて来た見込み客と、AIの両方にとって、書かれていないことは存在しないのと同じです。

対策の入口: 強みの言語化は一次情報の棚卸しから始まります。LLMO対策の手順4(一次情報・独自統計)が実質的な教科書です。事例ページの作り方は日新運輸工業様の事例の構成(Before数値→施策→After数値→お客様の声)が参考になります。

セルフチェック(原因2)
□ サイトに具体的な数字(実績・納期・対応範囲)がほとんどない
□ 事例・お客様の声のページがない、または3年以上更新していない
□ 「品質・信頼・安心」など、どの会社でも言える言葉が多い

原因3: 問い合わせまでの導線が壊れているとは?

内容は良いのに、行動の入口が見つからない・重すぎるケースです。よくあるのは、①問い合わせボタンがページ最下部にしかない、②フォームの入力項目が多すぎる(10項目超)、③「問い合わせ」一択で、検討初期の人の受け皿(資料DL・診断・相談)がない、の3つです。BtoBの見込み客の大半は「いきなり営業されたくない」段階にいます。温度に合わせた段差の低い入口を用意するだけで、同じ流入から生まれる接点は増えます。

対策の入口: 当社は全記事に「無料診断(会社名とサイトURLだけ)」という軽い入口を置いています。この記事の末尾がその実例です。導線を含むサイト全体の課題はAI SEO無料診断で第三者の目から確認できます。

セルフチェック(原因3)
□ スマホで見たとき、問い合わせボタンが1画面内に見えない
□ フォームの必須項目が8個以上ある
□ 「問い合わせ」以外の入口(資料・診断・相談)がない

原因4: 計測できていないので改善できないとは?

「どのページから問い合わせが来たのか分からない」状態では、あらゆる改善が勘になります。GA4とSearch Consoleが未設定・未整備の会社は珍しくなく、設定されていても「どの記事が引き合いを生んだか」まで追える設計になっている会社はさらに少ないのが実感です。

当社が支援で最初に行うのも、GA4・Search Console・(必要なら)CRMのつなぎ込みです。計測が整うと、「アクセスが多いのに問い合わせを生まないページ」と「アクセスは少ないのに受注につながるページ」が別物だと分かることが多く、投資すべき場所が変わります。

対策の入口: AI経由の流入計測まで含めた設計はLLMO対策の効果測定で解説しています。

セルフチェック(原因4)
□ 先月の問い合わせが「どのページ経由か」を即答できない
□ GA4・Search Consoleを月1回以上見る人が社内にいない
□ 問い合わせフォームに「何で知ったか」の項目がない

原因5: 問い合わせの「後」で取りこぼしているとは?

見落とされがちな最後の原因です。問い合わせは来ているのに、①返信が翌日以降になる、②担当者個人のメールに埋もれる、③一度失注した見込み客を追いかける仕組みがない——これはホームページではなく営業プロセスの問題ですが、経営者からは「問い合わせが増えない」と同じ悩みに見えます。

問い合わせ後の初動が数時間遅れるだけで商談化率は大きく下がります。せっかく増やした引き合いを受け止める側の整備は、集客投資と同じだけ重要です。

対策の入口: 案件管理がExcel・属人化の段階ならエクセル案件管理の限界へ。この領域は当社のもう一つの主力サービス(受注までのプロセス管理)の主戦場です。

セルフチェック(原因5)
□ 問い合わせへの一次返信まで平均で半日以上かかる
□ 問い合わせの一覧と対応状況を全員が見られる場所がない
□ 過去の失注・保留案件に再アプローチする決まりがない

5つの原因はどの順番で直せばいいですか?(優先順位)

原則は「計測→流入→内容→導線→初動」ですが、実務上は原因4(計測)だけは常に最初です。計測がないと他の4つの判定も改善効果の確認もできないからです。計測を整えたうえで、フローチャートで特定した最上流の原因に投資を集中してください。

全部を一度に直す必要はありません。当社の支援でも、最初の2ヶ月は「計測の整備と、受注に近い既存ページの改修」に絞ります。逆に、原因の特定を飛ばして「とりあえず記事を月4本」のような発注をすると、原因2や3が残ったまま流入だけ増え、費用対効果が見えなくなります。

宮村の見解: 「初回のご相談で5つの原因を一緒に見ていくと、『うちは原因1だと思っていたが、実は4と5だった』という発見が本当に多いです。診断で現在地が見えるだけで、無駄な発注を1本止められる。それだけでも診断の価値はあると思っています。」

5つの原因のどれに当てはまるか、自社では判断がつかない——という方のために、AI SEO無料診断で現在地を見える化しています。会社名とサイトURLだけで、検索・AI検索での見つかり方から導線・計測状況までを整理してお返しします。

15問セルフチェック表(総合版)

各原因3問×5=15問を1枚にまとめました。最も多く該当した原因から着手してください。印刷して社内共有にもご利用いただけます。

原因チェック項目
原因1: 見つからない□ 社名以外の検索語での流入がほとんどない
原因1: 見つからない□ 過去6ヶ月、サイトに新しいページを追加していない
原因1: 見つからない□ ChatGPTに自社の事業分野のおすすめを聞くと競合だけが出てくる
原因2: 伝わらない□ サイトに具体的な数字(実績・納期・対応範囲)がほとんどない
原因2: 伝わらない□ 事例・お客様の声のページがない、または3年以上更新していない
原因2: 伝わらない□ 「品質・信頼・安心」など、どの会社でも言える言葉が多い
原因3: 導線の欠陥□ スマホで見たとき、問い合わせボタンが1画面内に見えない
原因3: 導線の欠陥□ フォームの必須項目が8個以上ある
原因3: 導線の欠陥□ 「問い合わせ」以外の入口(資料・診断・相談)がない
原因4: 計測不能□ 先月の問い合わせが「どのページ経由か」を即答できない
原因4: 計測不能□ GA4・Search Consoleを月1回以上見る人が社内にいない
原因4: 計測不能□ 問い合わせフォームに「何で知ったか」の項目がない
原因5: 取りこぼし□ 問い合わせへの一次返信まで平均で半日以上かかる
原因5: 取りこぼし□ 問い合わせの一覧と対応状況を全員が見られる場所がない
原因5: 取りこぼし□ 過去の失注・保留案件に再アプローチする決まりがない

集客から受注まで全体の設計はBtoB中小企業の売上アップを実現する5つの打ち手で解説しています。継続的な改善を専門家と進めたい方はAI SEO伴走支援受注までのプロセス管理をご覧ください。

5つの原因のどれに当てはまるか、自社では判断がつかない——という方のために、AI SEO無料診断で現在地を見える化しています。会社名とサイトURLだけで、検索・AI検索での見つかり方から導線・計測状況までを整理してお返しします。

よくある質問

従業員30名の製造業です。ホームページからの問い合わせを増やす方法を優先順位をつけて教えてください。

①GA4とSearch Consoleで計測を整える、②受注につながった過去案件から「顧客が検索しそうな言葉」を洗い出す、③その言葉に対応する技術・事例ページを作り直す、④フォームと問い合わせ導線を軽くする、⑤問い合わせ後の初動ルールを決める、の順です。この記事のフローチャートで自社のボトルネックを先に特定すると無駄がありません。

ホームページをリニューアルしたばかりなのに問い合わせが来ません。なぜですか?

リニューアルは原因2(伝わらない)と原因3(導線)には効きますが、原因1(見つからない)と原因4(計測)と原因5(初動)には基本的に効きません。「見た目は良くなったが流入は変わらない」のは典型的なパターンで、リニューアル後こそ記事発信と計測整備が必要です。

ニッチなBtoB技術でも、SEOで問い合わせは増えますか?検索する人が少ない気がします。

増え得ます。検索数が少ない言葉ほど課題が明確で、問い合わせの質は高い傾向があります。当社支援先の物流会社では、継続的な記事発信で集客力が約6倍になり毎月新規の引き合いが生まれています。さらにAI検索経由という新しい経路も生まれており、ニッチな一次情報はむしろAIに引用されやすい資産です。

SEO会社に月15万円払っていますが、順位の報告だけで問い合わせが増えません。何を確認すべきですか?

「どのページ経由で何件の問い合わせが発生したか」をレポートに載せられるかを確認してください。順位や流入数で終わるレポートは原因4(計測)が放置されているサインです。改善されない場合は、依頼先を見極める判断軸(レポートの中身・計測設計・改善提案の有無など)で総点検することをおすすめします。

問い合わせは来るのですが、商談につながりません。ホームページの問題でしょうか?

その場合はホームページより問い合わせ後のプロセス(原因5)を疑ってください。一次返信の速さ、対応状況の見える化、失注・保留案件の再アプローチの3点が典型的な穴です。エクセル案件管理の限界から立て直しの手順を解説しています。

宮村佳祐

この記事の著者: 宮村 佳祐(株式会社etika 代表取締役)BtoBメディアとMAツール「リストファインダー」の立ち上げ・事業拡大を経て、ニッチな強みを持つBtoB中小企業の売れる仕組みづくりを支援。プロフィール詳細 →