無料の求人媒体とは、掲載料をかけずに求人を公開できる求人サイトや求人検索サービスのことです。ただし「無料」は掲載料の話で、原稿を作る・媒体ごとに入力する・内容を最新に保つ・募集を止める、といった運用の手間はかかります。
当社は専任の採用担当がいない会社です。2026年9月に採用サイトを公開し、あわせて複数の無料媒体に求人を載せました。その経過と応募の結果は採用サイト公開から2週間で応募13名の事例にまとめています。この記事では切り口を変えて、どの無料媒体を、どの経路で使うかと、1つの求人原稿を複数媒体に反映し続けるための管理の仕組みを整理します。
媒体の仕様や規約は変わります。本文の仕様は、当社が公式ページで確認した範囲に限っています(確認日は各所に記載)。載せる前に、必ず最新の公式情報を確かめてください。
求人を無料で掲載できる媒体は、何から選べばいいですか?
最初に、媒体を「正式な求人を載せる場所」と「カジュアルな接点をつくる場所」に分けます。
正式な求人は、職種・雇用形態・給与・勤務地・勤務時間・休日・応募方法といった募集条件を示して、応募を受ける場所です。一方、カジュアル面談のサービスやSNSは、まだ応募を決めていない人と話す場所です。両者を混ぜると、面談のつもりで来た人に選考のような対応をしてしまったり、条件の載っていない場所で実質的な募集をしてしまったりします。
当社では、正式な求人の候補として次の媒体を比べました。
| 媒体 | 無料でできること | 有料になる部分 | 当社での位置づけ |
|---|---|---|---|
| engage(エンゲージ) | 求人掲載、採用ページ、応募者管理 | 有料プランは別申込み | 正式な求人の土台 |
| Indeed | 求人の直接投稿(掲載料・成功報酬なし) | スポンサー求人 | 独立した経路として人が投稿 |
| 求人ボックス 採用ボード | 求人の作成・掲載・編集、応募者管理 | クリック課金の有料枠 | engage連携の状態を見てから直接投稿を判断 |
| スタンバイ | engageからの無料連携で掲載 | 有料の出稿枠あり | 追加の操作なしの露出先(掲載の保証はない) |
| Airワーク 採用管理 | 採用ホームページ、求人作成、応募者管理(CSV出力あり)、Indeed等への自動連携 | Indeed PLUSの連携サイト掲載など | Indeedへの経路の候補。直接投稿と重ねない |
| Googleの求人検索 | 自社の求人ページに構造化データを入れて、表示の対象を目指す | なし(表示の保証はない) | 採用サイトの実装に含める |
| ハローワーク | 求人の申込み、職業紹介 | なし | 雇用条件が確定してから検討 |
engage・Indeed・求人ボックス・Airワーク・Googleの求人検索の記載は2026年10月7日、そのほかは2026年9月16日に、各社の公式ページで確認した内容です。「無料」は掲載料が無料という意味で、審査を必ず通る、表示が保証される、という意味ではありません。
接点づくりの側には、カジュアル面談のサービスやビジネスSNSがあります。無料で使える範囲が「公開できるのは1件まで」「試用は期間と応募者数に上限あり」のように限られているものが多く、正式な求人の代わりにはなりません。当社は、正式な求人とは別枠で、話してみたい人との接点として使う方針にしています。
engageからIndeedへは、もう自動で載らないのですか?
engageの案内(2026年10月7日確認)によると、載りません。ここは古い解説記事が多く残っているので、特に注意が必要です。
- engageのサポートセンターでは、無料で連携する外部サイトとして「Googleの求人検索」「求人ボックス」「スタンバイ」の3つが案内されています(2026年10月7日確認)
- 同じサポートセンターのお知らせ「株式会社エンゲージの設立に伴う提供サービスの変更のお知らせ」で、「Indeed」へのengage求人転載の終了が、実施予定日2026年6月11日として案内されています(2026年10月7日確認)
- Indeedの求職者向けヘルプでは、2025年7月1日から、Indeedに載る求人は「直接投稿」と「求人情報連携」で集めたものが標準になったと説明されています(2026年10月7日確認)
当社が9月に調べた段階では、engageの料金に関するFAQにIndeed連携の文言が残っており、連携先を扱う専用FAQと食い違っていました。そこで計画は、専用FAQに合わせて「engage経由のIndeed掲載を当てにしない」形で組みました。食い違いを見つけたら、新しいほう・専用のほうに合わせ、根拠と確認日を記録しておくのが安全です。
結果として、Indeedへは直接投稿か、Indeedと連携しているサービス(Airワークなど)経由のどちらかで載せることになります。
表示先ごとに「管理元」を1つ決める
複数の媒体を使うときに最も起きやすい事故は、同じ表示先に2つの経路から載せてしまうことです。たとえばIndeedに直接投稿しながら、Airワークからも同じ求人をIndeedへ連携すると、似た求人が2件並びます。条件を直すときも、募集を止めるときも、片方を忘れやすくなります。
そこで当社は、「どこに表示されるか」と「どこで管理するか」を分けた表を作りました。
| 表示先 | 管理元 | 別の経路を検討する条件 |
|---|---|---|
| engage | engage | 既存のアカウントがあればそれを使う |
| Indeed | Indeedの直接投稿 | Airワーク経由に切り替えるなら、既存の求人の扱いと停止の反映を先に確かめる |
| 求人ボックス | engageの連携 | 掲載されない、内容を細かく直せない場合に、直接投稿との関係を確かめてから |
| スタンバイ | engageの連携 | 自社サイトからの個別連携は後回し |
| Googleの求人検索 | 自社の採用サイト(engageの掲載分は別URL) | 別URLで表示されることはあり得るので、計測はURLごとに分ける |
この表があると、「求人ボックスの内容を直したい」ときに、求人ボックスの画面ではなくengageの側を直す、と迷わず判断できます。連携先は反映まで時間がかかることもあるため、直した日時を記録し、すぐに表示が変わらないことを不具合と決めつけないようにしています。
また、同じ職種・勤務地・条件の求人は、管理元ごとに既存の求人を更新し、言い回しを少し変えた求人を複製して露出を増やすことはしません。正社員と業務委託のように条件が違う募集は別の求人として管理しますが、採用予定の人数は合計で数えるよう、社内の台帳で共有しています。
1つの原稿を、複数媒体に正しく反映し続けるには?
求人の内容は、採用サイトの表示も媒体の原稿も、一つの正本(確定版)から作ります。ここまでは前回の事例記事で紹介しました。この記事では、その正本を直したあとに、全媒体へ反映されたかをどう確かめるかを説明します。
1. 正本に「版番号」と「更新日」を付ける
正本の内容を変えるたびに、版番号を一つ上げ、更新日を書きます。媒体へ入力する前には、必ず正本の版番号と更新日を確かめます。どの版を見て入力したのかが残らないと、あとから「どの媒体が古いままか」を判定できないためです。
2. 「反映したい版」と「確かめた版」を分けて持つ
媒体ごとの台帳に、次の2つを別々に記録します。
- 反映したい版:正本の最新の版番号
- 確かめた版:公開ページを実際に開いて、内容が一致していると確かめた版番号
この2つが一致していない媒体が、反映漏れの候補です。正本を直した瞬間に全媒体が最新になるわけではないので、「直した」と「反映を確かめた」を同じ欄にまとめないことが要点です。
媒体側では文章が短く切られたり整形されたりするため、文字列の完全一致では判定しません。給与・雇用形態・勤務地・勤務時間・必須の応募資格・応募方法といった、応募する方への約束にあたる項目の一致を優先して確かめ、確かめられなかった項目はその旨を記録します。
3. 状態の言葉をそろえる
台帳の「状態」は、媒体ごとの表示に引きずられないよう、言葉を決めておきます。当社では、下書き・審査中・公開・差し戻し・一時停止・終了・不明、の区分にしました。
- 管理画面で保存しただけでは「公開」にしない
- 審査待ちの求人は「審査中」とし、公開済みとして数えない
- 保存の結果が分からないまま画面が止まったときは「不明」とし、成功したかを確かめるまで公開ボタンを押し直さない
当社でも、ある媒体で会社情報を入力して保存したはずが、開き直すと反映されていなかったことがありました。保存のあとは再読み込みして値が残っているかを確かめ、画面が止まって結果が分からないときは操作を重ねない、と決めています。押し直すと同じ求人を二重に作ってしまうおそれがあるため、いったん求人一覧で状態を確かめ、公開済みなら新しく作らず既存の求人を編集する、というルールにしています。
4. 媒体固有の置き換えを記録する
媒体には、正本にない必須項目や、選択肢の形が違う項目があります。たとえば職種の区分は媒体ごとに違い、同じ求人でも別の区分を選ぶことになります。こうした置き換えは「正本のこの値を、この媒体ではこう選んだ」と記録し、意味が変わっていないかを確かめます。媒体側で独自に直した内容があれば、まず正本を直し、そこから全媒体へ広げる順番を守ります。
5. 募集を終えるときの順番を決めておく
止め忘れは、応募する方にも会社にも負担になります。当社は次の順番にしています。
- 正本の状態を「終了」にする
- 自社の採用サイトの応募受付を止め、求人ページの構造化データも終了の扱いにする
- 各管理元で求人を停止する
- 連携先(スタンバイや求人ボックスなど)から実際に消えたかを確かめる
Googleの求人検索については、Googleの公式ドキュメントで、終了した求人は有効期限を過去の日付にする、ページを削除する、構造化データを外す、のいずれかで処理するよう案内されています(2026年10月7日確認)。採用サイトを作るときに、この終了処理まで組み込んでおくと安心です。
AIに媒体の画面を操作させてもいいですか?
ここは慎重に分けています。求人を無料で掲載できることと、外部のツールやAIが媒体の画面を操作してよいことは、別の問題です。
当社は、媒体ごとに「許可を確認できた」「制限されている」「未確認」の3つで記録しています。利用規約に自動化ツールの使用を制限する定めがある媒体では、AIに画面を操作させないのが原則です。「未確認」の媒体も、規約やアカウントの権限を確かめるまでは同じ扱いにするのが安全です。その場合のAIの役割は、正本から媒体ごとの入力票を作ること、前回からの変更点を一覧にすること、公開後の内容が正本と合っているかを照合することです。当社では、どの媒体でも、公開と停止の最終操作は人が行うことにしています。
ログインのIDやパスワードは、求人の正本や台帳と同じ場所に置かず、別に管理しています。
応募と計測は、どこまで追えばいいですか?
応募者の情報は、作業の記録と分ける
求人の正本や台帳は、内容を変えた履歴を残すために、変更履歴を管理できる場所に置いています。一方で、応募者の氏名・連絡先・経歴書・面談の記録は、そこには置きません。応募者の情報は採用専用のCRM(顧客管理の仕組み)の領域で扱い、作業の記録には個人を特定できない件数の集計だけを残します。
媒体からの応募を取り込むときは、同じ応募を二重に取り込むことと、同じ方が複数の求人に応募したことを区別します。氏名が一致しただけで同一人物として統合しない、というのも決めておきたい点です。
採用サイトは、会社サイトと分けて計測する
当社は、採用サイトとコーポレートサイトを別々のGA4(Googleのアクセス解析)のプロパティで計測しています。タグの管理ツール(GTM)で、ページのホスト名によって送り先を振り分ける形です。これで、採用サイトの数字が会社サイトの問い合わせの数字に混ざらなくなりました。計測そのものが正しく動いているかの確かめ方は、GA4のキーイベントを確かめる5つの手順にまとめています。
採用サイトでは、応募ボタンのクリックや外部の応募フォームを開いた操作も記録していますが、これを「応募完了」としては数えていません。フォームを開いただけでは応募にならないためです。
媒体の数字には限界がある
媒体から採用サイトへのリンクには、どの媒体から来たかが分かる印(UTMパラメータ)を付けています。ただし、これで分かるのは「媒体から採用サイトへ来た人」だけです。媒体の中で求人を見て、媒体の中で応募した人は数えられません。また、連携先へ再配信された求人のリンクでは、印は「登録元の媒体」を示すため、実際にどこで見つけたかとは一致しないことがあります。媒体の管理画面で取れる数字も、無料の範囲では限られることがあります。取れない数字は推定で埋めず、「取得できない」と書いておきます。
無料媒体を運用する前のチェックリスト
- 正式な求人の場所と、カジュアルな接点の場所を分けた
- 媒体ごとの無料の範囲と有料になる部分を、公式ページで確かめ、確認日を記録した
- 表示先ごとの管理元を1つに決め、表にした
- 求人の正本に版番号と更新日を付けた
- 媒体ごとの台帳に「反映したい版」と「確かめた版」を分けて記録している
- 決まっていない条件を推測で埋めず、必須の媒体は下書きで止めている
- 保存の結果が分からないときは、押し直さずに一覧で確かめるルールがある
- AIや自動化ツールに画面を操作させる前に、媒体の規約を確かめている
- 募集終了の順番(正本→自社サイト→各管理元→連携先の確認)を決めている
- 応募者の個人情報を、作業の記録と別の場所で管理している
この運用を、外部に任せることもできます
当社は、この進め方を自社の採用で試したうえで、お客様向けのサービス採用担当AIエージェントとして先行してご相談を受け付けています。無料媒体の洗い出し、求人の確定版づくり、媒体への掲載と更新、募集終了の反映、採用サイトの構築までを引き受けるものです。媒体への入力は、規約とアカウントの状況を確かめたうえで、当社の担当者が手作業で行う形を基本にしています。
応募の数や採用の成立をお約束するものではありません。無料で載せられる媒体に載せきれていない、媒体ごとに内容がずれている、止め忘れが心配、という状況でしたら、まずは今の求人の出し方をお聞かせください。
よくある質問
engageに載せれば、Indeedにも自動で載りますか?
engageの案内(当社が2026年10月7日に確認)によると、載りません。engageのサポートセンターでは、無料で連携する外部サイトとしてGoogleの求人検索(Google しごと検索)・求人ボックス・スタンバイの3つが案内されています。また、engageのお知らせ「株式会社エンゲージの設立に伴う提供サービスの変更のお知らせ」では、Indeedへのengage求人の転載の終了(実施予定日:2026年6月11日)が案内されています。Indeedに載せたい場合は、Indeedへの直接投稿か、Indeedと連携している別のサービス経由のどちらかを選びます。
Indeedは無料で求人を掲載できますか?
できます。当社が2026年10月7日に公式ページで確認した時点では、Indeedへの直接投稿は掲載料・成功報酬なしで利用でき、有料になるのはスポンサー求人です。ただし、Indeedと連携する別のサービスからも同じ求人を出すと、二重掲載や止め忘れの原因になります。直接投稿か連携サービス経由か、管理元を1つに決めてから載せてください。
給与などの条件がまだ決まっていません。先に媒体へ載せてもいいですか?
決まっていない条件を、推測の数値で埋めて公開しないでください。媒体の側で「非公開」などを選べる場合はそれを選び、数値の入力が必須の媒体は下書きで止めて、決める人に確認します。当社でも、条件が確定するまで下書き保存にとどめた媒体があります。
求人媒体への入力を、AIに自動でやらせてもいいですか?
媒体ごとの規約を確かめてから判断してください。求人を無料で掲載できることと、外部のツールやAIが画面を操作してよいことは別の話です。規約で自動操作が制限されている媒体では、AIの役割を入力票づくりと差分チェックにとどめるのが安全です。当社は、どの媒体でも公開・停止の最終操作は人が行うことにしています。
ハローワークにも求人を出したほうがいいですか?
求人の申込みと職業紹介は無料で利用できます。ただし事業所の登録と求人の受理の手続きがあり、雇用条件が確定していることが前提になります。当社は、条件が確定してから会社自身が求人者マイページで申し込む候補として位置づけています。

