2026年10月16日開催「BtoBマーケティングを『見える化』して『AI駆動』で回す」のセミナーバナー

2026年10月16日(金)、無料オンラインセミナー「BtoBマーケティングを『見える化』して『AI駆動』で回す ― API接続のKPIダッシュボードから、施策を実行するAIハーネスまで」を開催しました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

8月28日の「施策をAI駆動で回す」と、9月25日の「KPI管理をWebダッシュボードへ」の2回を1本に統合した回です。前半は、当社と支援先で使っている型を、後半はその型を当社のサービス「マーケ担当AIエージェント」として形にした体験デモの画面をお見せしました。

本記事は、当日の講演とスライドをもとに構成しています。支援先3社の事例は、開催時点で構築中・設計中・ご提案中の取り組みです。導入後の成果を示すものではありません。デモの画面と数字はすべて架空の会社のものです。

開催概要

  • セミナー名: BtoBマーケティングを「見える化」して「AI駆動」で回す ― API接続のKPIダッシュボードから、施策を実行するAIハーネスまで
  • 開催日時: 2026年10月16日(金)15:00〜16:00
  • 形式: オンライン(Zoho Meeting ウェビナー)・参加費無料
  • 主催・登壇: 株式会社etika 代表取締役 宮村 佳祐

本日の持ち帰り3点

冒頭で、この60分で持ち帰っていただきたいことを3つに絞りました。

本日の持ち帰り3点。01 施策の優先順位は実測から決める、02 数字は転記ゼロで集め商談の件数で判断する、03 マーケの定型業務はAIエージェントに任せる

  1. 施策の優先順位は実測から決める。 順番は「受け皿 → 計測 → 集客」。KPIは4層で設計します。
  2. 数字は転記ゼロで集め、商談の件数で判断する。 GA・広告・CRMをAPIでつなぎ、打ち手の履歴を数字に重ねます。
  3. マーケの定型業務はAIエージェントに任せる。 集計・示唆・下書き・反映はAI、承認と送信・公開は人が担います。

章1 施策は増える。回す体制は手作業のまま

最初にお話ししたのは、支援先3社で伺った課題です。業種も規模も違う3社が、ほぼ同じところで詰まっていました。

支援先3社で伺った課題の要約。建築設計事務所、医療系人材サービス企業、住宅建築会社のそれぞれの声と、当社自身も計測の停止やメール配信の対象設定ミスを経験したことを示したスライド

  • 建築設計事務所: 毎週、SNSと検索の数字を手で集めてコメントを書いている。問い合わせの良し悪しは1人が目で見て判断している。
  • 医療系人材サービス企業: 週次の資料は転記で作り、メールの対象抽出や架電リストも手作業。記事は1本に5時間ほどかかる。
  • 住宅建築会社: 数十のKPIを複数のシートに分担して転記している。広告が契約につながったかは、ほとんど追えていない。

当社自身も、計測が止まったことやメール配信の対象設定を誤ったことがあります。足りないのは人の数よりも「見える仕組み」と「回る仕組み」であり、言い換えると、毎週これを回す「担当」がいないことだ、というのがこの章の結論です。

章2 戦略をデータで決める

順番は「受け皿 → 計測 → 集客」

全面リニューアルや広告の追加より先に、直すべきものがあります。

順番は「受け皿 → 計測 → 集客」。先に集客から始めると、増えた流入がこぼれ、何が効いたかも分からなくなることを示したスライド

問い合わせや資料請求の受け皿となるページとフォームを整え、流入経路やコンバージョンを測れる状態にしてから、コンテンツや広告で流入を増やします。先に集客から始めると、増えた流入がこぼれ、何が効いたのかも分からなくなります。

KPIは4つの層で設計する

KPIは「露出」「流入分析」「タイミングキャッチ」「対応プロセス」の4層で設計します。どの層が詰まっているかが分かると、打ち手の優先順位が決まります。特に、問い合わせの有効・無効の判定を挟まないと、流入分析の精度が出ません。最後に見るのは「商談になった件数」です。

章3 見える化:スプレッドシートからAPI接続のダッシュボードへ

スプレッドシートでのKPI管理では、転記の手間で見る頻度が落ちる、打ち手と結果が結び付かない、管理していない指標の変化に気づけない、といった問題が起きます。根っこにあるのは、変更の理由と結果を照合しにくいことと、人の転記を待たないと数字が集まらないことです。

データ源 → API取得 → 置き場 → Webダッシュボード

支援先でも当社でも、構成は同じ4層です。違うのは「どのデータ源から始めるか」だけです。

データ源 → API取得 → 置き場 → Webダッシュボードの4層構成。肝は置き場で、履歴があるから打ち手と数字を重ねられ、AIにも読ませられることを示したスライド

肝は3つ目の「置き場」です。数字だけでなく、施策の内容や判断の理由、結果をまとめて残しておくから、打ち手と数字を重ねて見られ、AIにも読ませられます。更新頻度は各ツールのAPIに左右されるため(GA4は当日分が確定しない、など)、「人の転記を待たずに、ほぼ自動で更新される」が正確な言い方です。

管理していない指標の変化に、AIが気づく

当社でも、サイト移行の日に計測タグが消えて解析データが途絶えたことがあります。この仕組みで翌日に気づいて復旧しました。また、ブログ記事の多くで検索結果のクリック率が低迷していることを検知し、タイトルと説明文を一括で見直しました。

どちらも、シートに載せた指標だけを見ていては気づきにくい変化でした。ただし、異常検知は「気づく」までです。原因の判断と対処するかどうかは人が決めます。ここを混ぜると、通知が信用されなくなります。

章4 実行:AIマーケティングハーネス

見える化した同じ置き場を司令塔にして、施策の実行まで回す仕組みが「AIマーケティングハーネス」です。これが「マーケ担当AIエージェント」の中身です。

ハーネスの5ステップ。データ取得、AIが分析、人が決める、APIで実行、資産化。資産化した施策履歴と結果を次の分析で参照する

  1. データ取得: 検索・アクセス・広告・CRMの数字をAPIで自動取得する。
  2. AIが分析: 異常を検知し、施策のドラフトを作る。
  3. 人が決める: 週次の定例で採否を意思決定する。
  4. APIで実行: 広告の配分変更、メールの下書き、リスト抽出などを行う。
  5. 資産化: 実行した内容と結果を置き場に戻し、次の分析で参照する。

章3のダッシュボードは、このループの①②を人が見る窓です。見える化と実行は、同じ置き場に乗る1つの仕組みです。

AIに任せる範囲と、人が押すボタンを先に決める

「AIが勝手にやる」わけではありません。接続・権限・承認の手順を整えた業務だけを、4段で分担します。

AIに任せる範囲と人が押すボタン。自動取得、AIが下書き、承認後に自動反映、人が送信・公開の4段で分担することを示したスライド

設定の変更は戻せますが、送信や公開は取り消せません。だから、メールの送信・記事の公開・広告の配信開始・予算の増額は必ず人が押します。AIが行った操作は、すべて記録に残ります。

章5 当社の実践:自社のマーケ担当をAIで回している

当社は、Web集客・広告・CRMメール配信の3チャネルを、この同じループで回しています。数字はすべて当社の実測です。

チャネル① Web集客

Search Console・GA4・Bing・CloudflareのデータをAPIで取得し、AIが施策と修正案をドラフトし、人が採否と表現を決めて、本番に自動反映します。検索16か月分とアクセス2年分の実測からサービスページ6本を改修した例では、分析から本番反映までが1日でした。既存の159記事をAIが棚卸しし、姉妹サイトへ12本(新規9本・増強3本)を2日で公開した例も紹介しました。AI検索への対応は、上位表示を保証するものではなく、出現を定点で測っています。

チャネル② 広告

セミナー集客のMeta広告を、管理画面ではなくハーネスから設計・入稿しています。

Meta広告のAPI運用:3回の試行で分かったこと。1回目はLP誘導型で申込0件、2回目はインスタントフォームと類似オーディエンスでリード10件、3回目は2回目の差分で再設計したことを示したスライド

1回目はLPへ誘導する形で、LPの表示は127回あったものの申込は0件でした。2回目はインスタントフォームと類似オーディエンスに変え、リード10件、全員がウェビナー登録まで進みました(当日の参加は5件)。3回目(今回)は、2回目の内訳から配信面・年齢・素材の形を絞って再設計しています。敗因の分析から設計・ドライラン・停止状態での入稿まではAIが行い、配信を始めるボタンは人が押します。

チャネル③ CRM×メール

Zoho CRMにたまっていた見込み客のリストを、ドメインとサイトの機械調査でAIが分類し、人が確認してランクを付けてから、ランク別の文面で配信しています。これまでの10通の開封率は23〜31%で、上位ランク向けの配信が毎回数ポイント高い結果でした。

一方で、APIで指定したセグメントが効かず、2通とも全件に届いた回がありました。この失敗を受けて、送信は人が画面で押す形に改めています。当社のこれまでの配信の範囲では、売り込み型よりも「当社がやったことの報告」を主語にした文面のほうがよく読まれました。

当社で、AIがやっていること/人がやっていること

当社で、AIがやっていることと人がやっていることの分担表。Meta広告、広告リードのCRM登録、メール配信、記事、取りこぼしの点検、見込み客のランク付け

この一連を、マーケの専任者を増やさずに回しています。これを他社向けの形にしたものが「マーケ担当AIエージェント」です。なお、この分担表は当社の運用の実際であり、時間削減や商談増を示す数字ではありません。

章6 支援先3社:課題から、仕組みの設計へ

冒頭の3社の課題に、どんな画面と運用で応えようとしているかを、提案・設計の型としてお見せしました(課題は要約し、一部を一般化しています)。

  • 建築設計事務所(初期構築中): 最上位のKPIを「有効問い合わせ数」にし、有効の3条件を決めて判定をそろえる。流入から閲覧ページ、問い合わせまでを1行で逆引きし、週1回の短い定例を手順化する。
  • 医療系人材サービス企業(設計中): 月曜に見るボードを「計測の健全性 → ファネル → 流入元×CV → 施策別の商談単価」の順に並べる。AIの示唆は「止める・寄せる・打つ」に根拠と検証日を添え、人の承認は原稿・対象と件数・UTM・予算・日時の5項目に絞る。
  • 住宅建築会社(ご提案中): 作業者用と管理者用の2系統の画面に分け、広告を反響単価と契約単価の両方で比べる。安いほうの広告が勝つとは限らないことを見えるようにする。

3社と当社に共通していた「5つの要件」

3社と当社に共通していた5つの要件。計測の健全性を最初に見る、率より商談になった件数、AIは下ごしらえし人は判断、送信・公開・増額は人が押す、決めたことと結果が残る

業態は違っても、必要なものは同じでした。この5つを毎週の担当業務として回すのが、マーケ担当AIエージェントです。

章7 マーケ担当AIエージェントの体験デモ

後半は、架空の計測機器メーカー「ミナト計装」の営業企画部・高橋さん(マーケ専任1人、展示会と営業資料も兼務)の月曜の朝8時半から、体験デモの画面を共有しました。

体験デモのホーム画面。金曜の夜にAIがデータを取得・集計し、月曜の朝までに取りこぼしの点検、UTM付与率の低下の検知、架電リストとお礼メールの下書きを終えている様子。架空の会社の画面

金曜の夜にデータの取得と集計が終わり、月曜の朝までにフォームとCRMの取りこぼしの点検、計測の点検、架電リストやお礼メールの下書き、週次ボードと示唆が用意されています。高橋さんは出社して「判断が要る件」から始めます。

体験デモのKPIダッシュボード。同じ広告を、CV単価と商談の件数という二つの見方で比べる「広告の逆転」の画面。架空の会社の数字

デモの中心は「広告の逆転」です。CVの単価だけを見ると安い広告が良く見えますが、商談の件数で見ると評価が逆になることがあります。AIは、配分を変える案に根拠と検証日を付けて承認待ちに置き、人が1件ずつ根拠と設定値を見て決めます。反映後は変更の前後と検証結果、AIと人の作業の記録が残り、月次レポートは確認とコメントだけで済む流れをお見せしました。

デモの設定上の想定では、月曜朝の数字確認が約40分から約10分に、毎月約8時間(うち集計部分は約5時間)かかっていた月次報告が、確認とコメントで約15分になります。いずれも架空の会社での想定の例で、導入効果を保証するものではありません。

同じ仕組みは、専用のWeb画面で見る・頼む・承認する「Webアプリ型」と、自社チームがClaude CodeやCodexに日本語で指示して回す「直接運用型」の2つの形でご提供しています。詳しくはWebアプリ型と直接運用型のページをご覧ください。

章8 始め方と、先に整える条件

設定の手順はAIに聞けば出る。難しいのは「つなぎ目の整合」

当日、最後の章の冒頭に1枚追加してお話ししたのがこのスライドです。

設定の手順はAIに聞けば出る。難しいのは「つなぎ目の整合」。UTMの引き継ぎとCV導線の計測準備、CRMの内部設定そのものの見直し、GA4のCV設定とCRMへの引き継ぎの3つを示したスライド

1件の問い合わせを、広告・サイト・フォーム・CRM・GA4のどこでも「同じ1件」として数えられる状態にするのが、最初の仕事です。

  1. UTMの引き継ぎとCV導線の計測準備: 来訪時の流入元を保持し、複数のフォームや別ドメインでも流入元を引き渡す。実際に送信して、全項目が届くか点検する。
  2. CRMの内部設定そのものの見直し: リードや商談の状態、自動化のルール、重複の扱いを、実データと営業の実際の流れに合わせる。
  3. GA4のCV設定とCRMへの引き継ぎ: 問い合わせ完了を正しく定義し、フォームからCRMへの項目の対応と、見込み客から商談への変換時の引き継ぎを確かめる。

当社でも、フォームは流入元を受け取っていたのに、CRM側の対応付けが無く空欄だった、ということがありました。それぞれの設定手順はAIに聞けば出てきます。ただ、3つを別々に直してもそろいません。ツールの仕様と営業の流れを知る担当が、AIと一緒に、実際に送信して突き合わせながら整える必要があります。ここが初期実装の中心です。

先に整える条件があります

次に当てはまる場合は、エージェントの前に整える順番があります。

  • 記録先(CRMなど)が未整備: 流入元や対応状況を記録する場所がないと、画面は空欄になり、AIに渡すデータもありません。置き場と計測から始めます。
  • 判断する時間が取れない: 承認待ちがたまると、仕組み全体が止まります。承認する担当と週1回の定例を先に決めます。
  • 動かす施策がまだ少ない: 見る数字が動きにくいため、削減できる報告・集計の負担と費用を比べて判断します。

また、成果やAI検索での表示は保証しないこと、デモの時間は想定の例であること、向かない場合は「向かない」と申し上げることを、当日もお約束しました。

御社の業態と課題で、担当者の1週間を確かめてみませんか

本セミナーでお伝えしたのは、数字が自動で集まり、AIが下ごしらえし、人が決めるという形です。支援先3社も当社も、行き着いた答えは同じでした。

当日お見せした画面は、マーケ担当AIエージェントの体験デモ(無料)で、ブラウザからそのまま触っていただけます。御社の業態と課題に合わせて作り直すカスタマイズデモ(オンライン30分・無料・データのご提供は不要)もご用意しています。サービスの全体像と料金はマーケ担当AIエージェントのページをご覧ください。

「うちのツール構成・体制の場合はどうか」というご相談がいちばんお答えしやすいです。お問い合わせからお気軽にご連絡ください。

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よくある質問

「マーケ担当AIエージェント」は、AIが勝手に広告や配信を動かすのですか。

いいえ。データの取得・集計・点検・示唆・下書きはAIが担いますが、メールの送信、記事の公開、広告の配信開始や予算の増額は人が判断して押す設計です。AIが反映するのは、人が承認した範囲の戻せる変更に限ります。

マーケティングの専任者がいなくても運用できますか。

承認する担当者と週1回の定例があれば、専任者を置かずに回せるように設計しています。当日は、専用のWeb画面で見る・頼む・承認するWebアプリ型と、自社チームがClaude CodeやCodexに日本語で指示して回す直接運用型の2つを紹介しました。どちらの場合も、承認する担当者と週1回の定例を先に決めることが前提です。

当日のデモは自社のデータで見られますか。

当日の体験デモは架空の会社のデータで動いています。御社の業態と課題に合わせて作り直すカスタマイズデモ(オンライン30分・無料)もご用意しています。この段階で実データや接続権限をお預かりすることはありません。

どんな会社には向きませんか。

流入元や対応状況を記録する場所(CRMなど)がまだない会社、承認や判断の時間が取れない会社、動かしている施策がまだ少ない会社は、エージェントより先に整える順番があります。その場合は、置き場と計測から始めることをお勧めしています。

宮村佳祐

この記事の著者: 宮村 佳祐(株式会社etika 代表取締役)BtoBメディアとMAツール「リストファインダー」の立ち上げ・事業拡大を経て、ニッチな強みを持つBtoB中小企業の売れる仕組みづくりを支援。プロフィール詳細 →